その男、小悪魔につき。【停滞中】



頭の上に手を置いたまま、千尋くんは私の目線と合わせて屈んだ。


「……何?」


顔が近い……!!


内心ドキドキしているのを必死に抑えて、目を見て聞く。


すると千尋くんは手を私の後頭部にずらして、私を引き寄せた。


「……んっ」


顔を少し傾けたと思ったら、次の瞬間には唇が重なっていた。


突然のことで驚いたが、次第に私は目を閉じた。


少しして唇が離れると、千尋くんは私の目を見つめる。


ドキドキと胸が高鳴っていると、もう一度私の頭をポンポンと優しく微笑みながら撫でた。


「さて、お粥作っておいたのでそれ食べて薬飲んで寝ましょうか」


「お粥?」


「先輩が風呂入っている間に作っておきました
。まぁ味の保証は出来ませんけど」


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