その男、小悪魔につき。【停滞中】


嫌なら嫌ってハッキリ言ったら良いのに。


苦笑いとはわかっていても、拒絶はしない千尋くんにモヤモヤして目の前のビールを一気に流し込んだ。


「ちょっと、彩月!?」


「明日はお休みだし今日は飲もう!」


真緒の肩に手を回して無理やり乾杯する。



「あー、これはめんどくさくなるわ」


「おーおー、蓮見荒れてんなぁ」


向かいの席から寺井が冷やかしてくると、真緒はシッシッと手で払う。



「何だよ。俺も今日は飲みたい気分なんだよ」


「あんたが絡んでくると、ろくな事にならない予感がプンプンだから。それに彩月はそんなにお酒強くな……ってあちゃー」


あれ?


視界が回り出して頭がぐわんぐわんするような……?



「あんたは何でもう酔っ払ってんのよ」


「げっ!蓮見もうビール6杯目だぞ」


「はぁーいつの間に」




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