その男、小悪魔につき。【停滞中】
「じゃあ、明日の11時頃迎えに来ます。ではおやすみなさい」
「お、おやすみ……」
ポカンとしたままそう言うと、千尋くんはまた私の頭を撫でて帰っていった。
呆然と立ち尽くしていると、マンションに入ってきた住人の人が不審そうな目で私を見る。
はっ、何してんだろ……!
それから急いで自分の部屋に行って、閉まった扉に体を預けてヘナヘナと座り込んだ。
手には結婚式の招待状があったが、私の頭の中はすっかり別の事で支配されていた。
明日の11時……。
よいしょ、
立ち上がってふらつく足取りのまま何とかベッドまで辿り着いた。
そしてそのままボスンと勢いよくベッドに倒れこむ。
あー、眠い。
お風呂……明日起きてからでいっか……