その男、小悪魔につき。【停滞中】
少しして唇が離れると至近距離で、綺麗なブラウンの瞳に見つめられる。
……何か、言わなきゃ。
ドキドキして手に力を込めると、それに気付いたのか千尋くんは私の体から離れた。
「もうすぐ着きますね」
「あ、本当だ。結構早かったね」
「ふふ、早くて残念でした?」
「そ、そういう意味じゃなくて……!もう!」
観覧車から降りると閉園時間間近になっていて、今日1日本当に楽しくて時間があっという間に過ぎていた事に気が付いた。
月曜日からもっと頑張れそう。
一人ニヤニヤしながら車に乗ってシートベルトをしていると、隣から千尋くんが爆弾を落としてきた。
「あ、今日このままどこかに泊まっていきません?明日も休みだし」