我等オカ研特捜部
 事情を説明するとアヤメは毛が逆立ち始めていた。

アヤメ
「外にいるあの牛車がエースを狙ってるって?」

小山
「ずっと追いかけて来てるんです。
 
 耳鳴りがひどくって」

アヤメ
「耳障りな歌を歌ってる上に、私の友をつけ回すとは。
 
 お姉さんに任せなさい」

小山
「待って待って、殺すんですか?」

アヤメ
「あれは霊気の塊だから石に霊気を込めて投げる。
 
 そしたら石当たる。

 あいつ死ぬ」

荒木
「この前カウボーイの漫画を渡したんだよ。
 
 インディアンになってるのはそのせいだ」

タタミ
「爪を伸ばして刺すっちゅうのもあるで?」

谷口
「待って待って、アヤメさんって外に出れるの?」

アヤメ
「てか内緒やけど社の地下に心の臓を封じられてるから体は無理、

 一部とかならオッケー!
 
 せやしあんたらは出入り自由やん?」

タタミ
「秘密やで~?
 
 しかしずっと歌とてんであれ」

小山
「じゃあアヤメさんの髪を巻いたら朧車見えます?」

アヤメ
「あれ弱いからあんたらには見えへんのかもな。

 ちょっとようけあげるわ、そしたら見えるやろな」

 アヤメは言うなり爪で髪の束を切った。

荒木
「ああ勿体ない黒髪ロングが」

谷口
「別に切らなくても」

アヤメ
「しもた。そらそやな。
 
 まーええわショートボブっちゅうのにしたかったし。

 しかしあれ、おぼろ車ゆうよりおんぼろ車ですな」

谷口
「うまい!」

アヤメ
「しっかり援護したるさかい、安心いってきよし」

タタミ
「あれは弱そうやし、美味しくなさそう」

  私はアヤメさんの髪を受け取り、心強いバックアップがあるお陰で恐れずに壁を乗り越える事が出来た。
 
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