足跡が其処に
序章

少年の存在

少年の存在

少年はもう何年も此処に居る
それは少年にとって苦痛ではなかった
少年は其れが自分の運命だと悟っていたから

少年は何時も空を見ていた
空には沢山の憧れがあったから

鳥は自由に空を飛び、謳い
蝶は自由に舞い、ひらり
雲は自由に流れ、運ぶ

少年は謳う
少女に願いを込めて優しく儚く
どれほどに辛い運命だとしても最期まで

空を飛ぶことが叶わない願いを
何時まで謳い続ければ救われるのだろう

生きるということ
逝くということ

その度に少年は少女に笑う
何時か、あの空から
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