足跡が其処に
秋の空


秋の空は冷たいねと貴方が言った
枯れ果てた落ち葉を誰かが踏んで
クシャリと潰れてしまったのを
貴方は寂しそうな顔で見ていた

この部屋から見る景色を何度見ただろう
でも確かなことは
何時も貴方がこの空と世界に恋い焦がれでいること

雲が太陽を隠しても
貴方は空を見ていた

晴れた空も、雨の日の空も
何時も何時もすべての空を貴方は見ていた

秋の空も、また貴方はずっと見ているのだろう
あの空に恋い焦がれながらも
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