足跡が其処に
落ち葉


貴方の部屋へ行こうてしていた
紅葉と銀杏の並木道

はらはらと舞い落ちてくる落ち葉たち
その姿を眺めていたら
無性に貴方を思い出して

体が勝手に動くのを感じた
一つ一つ
落ち葉を拾って
手に持っていた紙袋の中に
貴方を思って詰め込んだ

貴方の名前を呟きながら
呟いてしまったら頬を涙が流れて
それでも落ち葉を拾い集めた

紙袋が一杯になった頃
やっと貴方の部屋へ行くことを思い出す

この落ち葉たちを持って
< 25 / 60 >

この作品をシェア

pagetop