足跡が其処に
秋の夢


持っていた落ち葉を見ると貴方は
驚いて目を見開いたけれど
次には薄く微笑んで
ありがとうと笑った

それが嬉しくて
紙袋の中から両手一杯の落ち葉たちを
貴方に降らした

そしたら貴方も私の真似をして
落ち葉を私に降らせた

それがとても楽しくて
紙袋の中の落ち葉がなくなるまで
ずっとずっと落ち葉を降らせ続けた

曇り空の中
一点の光りが差して
私たちはずっと落ち葉と空の光りの中で
同じ時を過ごし合った
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