足跡が其処に
言ノ葉

貴方が居なくなる前
手紙をもらった

其処には出会った春からの記憶と
貴方らしい言葉

また人を愛して笑っていて

きっと泣いていただろう
この文字を綴っている時

今、私が黒い喪服を着て
泣いているように

生まれ落ちたその時のように
貴方は真っ白な部屋で
泣いていただろう

その言の葉は
貴方が残してくれた
あたたかいもの全てを
思い出から記憶に変えるように

優しく、優しく
< 37 / 60 >

この作品をシェア

pagetop