超絶危険!?ブラザーズ
――――――…
二日前*


「もうっ!信じらんない!!あんなに嫌だって言ったのに!!!」

あの後結局
「あら、お父さん。そろそろ飛行機の時間だわ」

とか言って私を半ば無理矢理置いてった。



仕方なく私は、渡されたメモに書いてある“榊さん”のお宅を目指してる。

帰ってきたら、徹底的に無視してやるんだから。


「えっと~榊さんのお宅は、……この辺りで合ってるはずなんだけど」

メモに記された簡単な地図は、確かにここを指している。

でも家なんて一軒も見当たらない。

視界に入るのなんて、どデカイ壁だけで……



「……………」

まさか。

…………

いや、まさかね。

そんな漫画みたいな展開があるわけないじゃん?

この何メートルにもわたる巨大な壁が、家の敷地を囲む塀だなんてこと、あるはずな……


「……………」

突然現れた、これまた大きな門に絶句する。

まるで絵本に出てくるお城のような門。
ふと上を見れば、オシャレに“榊”と刻まれた表札が目に入った。



「来訪者確認。お名前をどうぞ」

どこからともなく聞こえてきた機械的なアナウンスにひびりながら、

「た、高野 りあです」

なんとか名乗れば、


ゴゴゴゴゴ

大げさな音がして、ゆっくりと門が開いた。


「……………」

さっきから全然言葉がでない。

私、名前と………しか言えてない。
< 3 / 16 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop