愛しさを抱きしめて
音楽室であったことを話し、冷蔵庫にあったミルクココアを口に含む。
咲羅にはコーヒーを飲んでいる。
「日和は右京のこと好きなの?」
眉を寄せながら聞いてくる。
カァァ…///と真っ赤になる私の顔。
薄ピンクのハートのクッションを顔に埋めながら、答える。
恋とか愛とか子どもなわたしは理解出来るわけもなく、告白とかされても全て断っていた。
「そっか…」
寂しいときや嬉しいとき…、右京くんが近くに居てほしい。
嬉しいとき、一緒に笑ってほしい。寂しいとき、近くで寄り添ってほしい。
ピアノ弾けたとき、一緒に喜んでくれて嬉しかった。
お昼、一緒に話してて楽しかった。
「うきょ…くん、好き」
咲羅はわたしの頭を撫でながら、そっかと言った。
「なんか娘を嫁に出す母親の感じ」
少し寂しそうな表情をした咲羅。
「わたしは咲羅の友達だよ、あれ?親友だ!そう、しんゆう!」
ガバッ!と咲羅が抱きついてきて、笑った。
「ばか」
その言葉に私も咲羅も笑った。