愛しさを抱きしめて
「入れ」
志乃がゆっくりと部屋のドアを開ける。
「ここは?」
黒で揃えられた家具、ハンガーには制服がかかっており、黒の机には資料が沢山散らばっている。
「俺の部屋」
短くそう言って、わたしの手首を掴みソファへ進む。
志乃が黒いソファへ座る。
「わぁ…っ!」
一瞬の浮遊感がわたしを襲う。
いつの間にかわたしは志乃を跨るようにして座っていた。
「日和にキスしたのは、単純に好きだからやっただけだから」
口元に手を置き、少し照れてるようにも見える志乃。
カァァァァ…///と自然とわたしの頬も染まる。
だって…好きとか…、なぜか恥ずかしくなって両手で顔を隠す。
「日和は?」
わたしの顔から両手を離して、頬を手で優しく包む。
「好き……」
小さな小さな声だけど志乃には聞こえたみたいで
「上出来」
そう言ってわたしの口にキスを落とした。