愛しさを抱きしめて

先に自動販売機で咲羅が飲むコーヒーと自分が飲むフルーツオーレを買う。
パックを持って木陰に移動すると、腰を下ろす。
暖かくて、風通しがよい。

「噂の日和ってお前?」

不意に木の上から低い声がした。
見上げると少し色素が薄い茶色で、瞳も同じく茶色の男の人。
茶色でも落ち着いていて、イケメンさんだ。
噂ってなんだろう???と首を傾げていると、イケメンさんが木の上から降りてきた。

「佐倉日和だろ?」

微笑んでるように見えるイケメンさんは、腰を下ろしてわたしの隣に座った。

「うん、あなたはだぁれ?」

それから少しの間、イケメンさんとお話した。
右京 志乃(うきょう しの)、年は同じ年らしい。
隣のクラスで、波音くんと同じクラスのC組。
ちなみにわたしと咲羅は、B組。
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