愛しさを抱きしめて

「日和」

志乃に呼ばれて振り向くとゴロンと転がり、志乃の頭がわたしの膝の上に乗った。
わたしの身長は155というなんとも言えない高さで、志乃は170という羨ましい身長。つまり差は15センチ。
自然と話すときは上を見るため膝枕をするとわたしが志乃を見下ろす感じがして、少し笑ってしまった。
笑うと志乃が少し微笑んでわたしの頬を緩く引っ張った。

「何笑ってんだ、ばか」

対して痛くもないから未だに頬は緩んだままで、志乃だって口調とは裏腹に微笑んでいる。
そんなこんなで時間が過ぎて行き、昼休憩が終わった。
その日からわたしと篠はお昼ご飯をここで二人で食べて志乃を膝枕することが日課となった。

五時間目、六時間目は文化祭の準備のため自習。
わたしのクラスは〈和装喫茶〉ということもあり、わたしは浴衣の柄を決められていた。重要だからもう一回言おうか、決められていた。

「やっぱりパステルカラーだよね!」

ここでひとつの疑問がある、何で咲羅はそんなにノリノリなわけ?
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