愛しさを抱きしめて

「許せないんだよ、志乃の事が」

悪感がするような笑みを浮かべる彼女に波音の顔が歪む。

「いい加減、ウザいよ。琴音」
琴音を睨むような波音に周りの空気が静まる。

「私、波音にはもう興味ないよ?志乃の幸せ私が壊してあげる」

「波音、行くぞ」

琴音を睨みながら、言う志乃に波音は苦笑いをしながら頷いた。

「ずっと志乃を恨んでたのは波音くせに」

彼女の言葉でため息を吐く志乃と居心地悪そうにする波音。
ニコリと笑った彼女は優雅に去っていく。

「気にしてねぇから」

志乃の言った言葉に安堵する波音。

「さんきゅ、咲羅のとこ行くわ」

「俺は日和」

二人仲良くB組のクラスでノホホンと平和に過ごした。
いつものように仲良く4人で楽しく会話をした。
果して彼らは気がついているのだろうか?
明日からこの日常が崩れることを。
この時、これからのことなんて誰も想像していなかった。

客観SIDE...end
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