愛しさを抱きしめて
待ちに待った放課後が来た。
放課後になって一時間後に行く、とメールが来た。
「日和」
志乃が私の教室まで迎えに来てくれた。
着いた場所は裏庭。
「俺は日和のクラスの朝比奈琴音と付き合っていた」
なんとなく知っていた。予感はしてた。
でも涙が溢れ出てくる。
「琴音だけじゃない。沢山の女と付き合ってきた」
あぁ、予感はしてたのに覚悟はしてなかった。
志乃は少しだけ覚悟する時間をくれたのに。
「そっか…」
泣いたらいけないことが分かっているのに、泣いて解決することじゃないことも。
私は、過去を変えることも出会うこともないから。
「日和、ちゃんと守るから」
そっと志乃が私を抱きしめる。
ごめんね、志乃…今だけだから。
貴方のせいにして、貴方のために泣きます。
明日にはもう笑うから…