愛しい人
悪夢を見た翌日は金曜日で、久馬くんは、調整ルームに入るため、今夜は家に帰ってこない。
「ひとりで大丈夫か?」
「…レースは休めないでしょ?それに、ひとりじゃないし!」
お腹をさすると、久馬くんもお腹をさすってくれた。
「ありがと…落ち着く」
家から厩舎まで、車で移動中、久馬くんはずっと手を握ってくれていた。
妊娠するまで、久馬くんから手を握ってくれることなんか、数えるほどしかなかったのに…。私のお腹が大きくなるにつれて、手を握ってくれる回数が増えた。
でも、厩舎が近付いてくると、さっと手を離す。
久馬くんらしい…というか。そんなところも愛しく思えた。
「ひとりで大丈夫か?」
「…レースは休めないでしょ?それに、ひとりじゃないし!」
お腹をさすると、久馬くんもお腹をさすってくれた。
「ありがと…落ち着く」
家から厩舎まで、車で移動中、久馬くんはずっと手を握ってくれていた。
妊娠するまで、久馬くんから手を握ってくれることなんか、数えるほどしかなかったのに…。私のお腹が大きくなるにつれて、手を握ってくれる回数が増えた。
でも、厩舎が近付いてくると、さっと手を離す。
久馬くんらしい…というか。そんなところも愛しく思えた。