愛しい人
「久馬~!」

手をぶんぶんと振りながら、同期の下里優馬が走ってきた。

「おめでとう!産まれたんだってね!」

「どーも」

「見に行ってもいい?貴大も見たがってた」

「赤ん坊はガラス越しでしか見れないと思うけど良ければ」

「今日、行っても?」

「大丈夫」

「じゃあ、今日。久馬が病院に行く時、ついでに乗っけてよ」

「了解」

同じく同期の戸田貴大も連れて病院に行く約束をした。見せもんじゃないんだから…と思う反面、みんなに見せたくて仕方ない、親バカ心も芽生えていた。

オレなんかでも…父親になるもんだな…。
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