天然王子様に振り回されて
そう。


それが、聞きたかったの。




私はニッコリと微笑んだ。


満足、満足!







「・・・この話は、もうおしまいだ。」


うんざりとしたように呟くお父さん。




ちょっぴり、意地悪がすぎたかも。







「ところで、話は変わるが、羽依はどうなんだ。」


「私?」


「彼氏とか、いるのか?」




"彼氏"というワードに、私はピクリと反応する。



「お。いるんだな?」


「ま、まぁ・・・///」



ほんのりと熱が集中する頬。





「私には、もったいない人なんだ。」


「ノロケか。」


「いや、本当なんだって!」



ほうほう、というお父さんは、にやけていて。




ムッとしたけど、なんだか、こういうのもいいなぁとか、思った。







「じゃあ、連れて来てくれな。」


「え?」



お父さんは、優しく微笑んで言った。






「その彼氏と、一緒に、この店に来てほしい。

"お父さん"として、会いたいんだ。」








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