天然王子様に振り回されて
「き、キス、ですか・・・・・・?」


震える声で聞けば。



「うん。だって、羽依からキスしてもらったこと、無いし。」




いやいやいや!




「む、無理ですよっ・・・・・・」


必死に首を振れば。







「そ、っかぁ・・・。羽依、俺じゃ嫌かぁ・・・。

・・・・・・ごめんね?」




千秋先輩が、しょんぼりと言った。






えぇっ!?


なんでそうなるの!?




千秋先輩は、演技をしているわけではないらしく。


本当に傷ついた顔で。



「じゃ、プレゼントは、後日貰うね?

楽しみにしてるから。」



なんて言った。









・・・・・・・・・・・・・これは。



天然ゆえのもの、ですよね・・・。










――けど。


天然だからって。





千秋先輩に、こんな顔、して欲しくなんかない。



強く思った私は、意を決めて、千秋先輩に近寄った。








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