天然王子様に振り回されて
「殴るとか、駄目だから!」


「分かった。ぶっ倒す。」


「なんでそうなる!?」


「だってさっき言っただろ。羽依泣かせた奴は全員私がぶっ倒すって。」


「言ってたけど、駄目だよ!!!」



私が全力で止めれば、茜は唇をとがらせながらも頷いた。



「・・・・・・分かったよ。暴力はやめる。」



ほっ。


とりあえず、一安心だ。




「でも、羽依。」


真剣な声に、視線を茜の瞳に移す。




「ちゃんと確認しろよ?」


「・・・・・・うん。」


「ま、羽依の夢だとか妄想だとかなわけないとは思うけどさ。

不安なら、何度だって確認すればいいと思う。


だから、会いに行け・・・・・って言いたいところなんだけど、今は無理だな。」



「・・・・・・・・・・・へ?」


「だって、今ホームルームだろ。ついでに言えば、1時間目は体育で着替えなくちゃいけないし。」


「・・・・・・・えーっと・・・つまり?」


「つまり、1時間目の終わりの休み時間まで待てってこと。」


「なるほど。」



ちょっとホッとしたり。




「ま、とにかく早く確認しろよ。

羽依のそんな顔ずっと見てられるほど、私忍耐力ないから。」



「え!?どんな顔!?」


「しょぼーんって顔。

その顔見てると、三木の野郎をメチャメチャにしたくなる。」


「メチャメチャ!?」




茜はちょっぴり(?)暴力的です・・・。









< 19 / 152 >

この作品をシェア

pagetop