天然王子様に振り回されて

―――――――で。




2-A の教室の前。



飛び出しそうな心臓を押さえ、私は教室に入っていこうとしていた男の先輩に声を掛けた。




「あ、あのあの、み、みみ、三木先輩を呼んでもらえませんか?」


うっわー!

どもった!めっちゃどもった!!!




「いいよ。

・・・おーい、三木ー!また女子生徒来たぞぉ!今回は1年生~」





私の学校はリボンとネクタイ色で学年が分かる様になっている。


3年生は、男子:青。女子:水色。

2年生は、男子:赤。女子:ピンク。

1年生は、男子:緑。女子:黄色。


リボンが女子で、ネクタイは男子。


ちなみに、茜はなぜか女子なのにネクタイ。

本人に聞いてみれば、先生を脅してネクタイOKにさせたらしい・・・


さすがというか、なんというか・・・。





まぁ、とにかく。


そういうわけでこの先輩が私の学年を当てたのは当然なんだけど・・・・・・



また?今回は?







「あの・・・どういうことですか?」


「あぁ。三木がどこぞの女子と付き合い始めたって噂が流れてさ。

ホームルーム前からずぅーっと女子生徒が来てるんだよ。」




その『どこぞの女子生徒』って私のことだよね?

たぶん・・・・・・。




三木先輩、なんて答えたんだろう・・・







「ふわぁ~。三木来ました~。」




不安に思っていると、あくびと共に三木先輩がやってきました。









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