天然王子様に振り回されて
「・・・・グスッ・・・・ふぇっ・・・・・・」



私の想いは、実らなかったんだ―――。



でも、当たり前だよね。


三木先輩と話すことなんて、入学式の日以来、ほとんどなかったし。


三木先輩も、私のことなんて知らなかったかも。


いや、たぶん知らなかったんだろうな・・・









「大好きです・・・・・」




恨めしいくらい綺麗な青空に向かって、私はかすれた声で囁きかけた。








三木先輩。


もう少し、あなたを好きでいることを、許してください―――



困ったことに私は、往生際が随分悪いみたいなんです。









きゅっと唇を固く噛み締め、私は涙の嵐と戦うことにした。





ちょっぴり、なんかじゃないじゃん。



すっごい、切ないし、苦しいじゃんか・・・・・・・




三木先輩に初めて会ったこの屋上で、私は初めての失恋を噛み締めていた。








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