天然王子様に振り回されて
「俺と付き合えたのは、奇跡みたいなもの?

頼るのは、図々しい?


そう、言ったの??」



目をぱちぱちと瞬かせながら聞けば、

羽依はこっくりと頷いた。



「そうですよ、千秋先輩に頼るなんて・・・

図々しいにも程があるじゃないですかっ!!!」


キッと、鋭い視線を俺に向ける。



その瞳は――

どこまでも、寂しそうで、切なそうで・・・






俺は、ぐいっと羽依を引き寄せた。




「なっ///」


羽依が驚いたような声を出した。




「・・・・・んだよ・・・」


「え?」


羽依を力いっぱい抱きしめる。



「・・・・・いたっ・・・」


そんな声が羽依から漏れたけど、

無視だ無視!




「羽依、なんてこと思ってんだよ・・・。


奇跡みたい?

頼るのが図々しい?


馬鹿っ。

俺、羽依のこと好きなんだよ。

マジで、大好きなんだよ・・・。


なんで、伝わんねぇんだよ・・・・・・」




囁くように言う。


・・・なんで羽依は、自分の可愛さとかに、

気付かねぇんだよ!



俺の想いは無視なのかよっ!







< 57 / 152 >

この作品をシェア

pagetop