天然王子様に振り回されて
ハテナマークを浮かべれば。



お母さんはニッコリと綺麗な笑みを見せた。




・・・この人、ホントに二日酔いなの?






「千秋君、羽依のこと、よろしくね?」


優しく、だけど真剣に言われた。



「もちろんですっ!

任せてください!」


俺は力強く頷いた。




そんな俺を、満足そうに眺めた後。



お母さんは便器に顔を向けた。





そして――






「うおぇぇぇぇぇぇぇっ」







盛大に吐いた。








それはそれは見事な吐きっぷりで。



思わず拍手をしてしまった。






「ふぅ。」


ひと段落ついたらしいお母さんは、

フッと息を吐き、口元を拭った。





そして笑って。



「拍手ありがと♪

学校、遅刻するわよ?」



と、さらりと言ってのけた。




その後、またもや便器に向かい、


猛烈に吐いていた。








< 62 / 152 >

この作品をシェア

pagetop