天然王子様に振り回されて
ハルには朝の一連の出来事を話したところ。


なんで遅刻寸前だったのか聞かれたからね。




「まぁ、溺愛しちゃってんもんな。

羽依ちゃんのこと。」


さらりと言ったハルを、睨んだ。



「"羽依ちゃん"って呼ぶな。」



ハルは肩をすくめた。



「はいはい。ったく。

アキは子供んときから変わんねぇよなぁ。」


「何が?」


「独占欲強いとこ。

ほら、オモチャ取られたときとか、噛み付いてたろ。」


「・・・・・あのさ。

羽依、オモチャじゃないんだけど。」


「はいはい。でも、独占欲は強いだろ?」



それには、さすがに何も言えない。


「ほら見ろ。

まぁ、でも"羽依ちゃん"って呼ぶのは、

やめてやるよ。」


「・・・・・ありがと。」


「そうそう。感謝しろよ。」



ハルはフッと笑って言った。


その笑顔は、男の俺でもカッコイイと思えるものだった。




それを見て、思わず呟いた。



「あぁ・・・俺もハルみたいにカッコよければなぁ。」



ため息をついた。



羽依はあんなこと言ったけど・・・


俺の方がダサくて、つりあってないんじゃないのかな?




ハルは呆れたように俺を見た。



「アキ、天然すぎだろ。」


「・・・・・・・・?何が?」





俺は、首をかしげた。


可愛い羽依に会いたいなーなんて、思いながら。









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