天然王子様に振り回されて
あまりの展開に呆然としていた私は、聞き逃してしまったんだ。








「ププッ。飯田さん馬鹿だね。


夕華(ユウカ)に試させるとか。



あーあ。


結果なんて、もう見え見えだよねぇ~



だって夕華、マジみたいだったし。」








可憐な先輩を追っていったケバい先輩達が、

そんな会話をしていたことを。















―――見逃してしまったんだ。







屋上から出て行く可憐な先輩が。




不敵に、不吉に、ニヤリと薄い笑みを浮かべたのを。














これは――――
























悪夢の合図だったのに。

















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