天然王子様に振り回されて



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翌日。




朝、朝食を食べようとリビングに行けば。




テーブルに、紙切れが置いてあった。


紙切れには、こう書かれていた。






《羽依へ



お母さん、ラスベガスに戻るね!


勝手に日本に来たことバレてさ。


なんか昨日の夜、すっごい怒られちゃったんだよ。

部長に。


すぐに戻って来い!でなきゃクビだっ!

って、英語で喚くんだよ。


うっさいから、帰ることにした。



千秋君と仲良くね♪

誰よりも、愛してるよ、羽依。



母より。

I give many love for you!》




最後の英語の部分を、知らず知らずに、

日本語で呟いた。





「"たくさんの愛を、あなたに贈る"」




お母さんは必ず、手紙とかの最後には、そう書き記す。





どこか抜けてるお母さんは、いつも率直に。

私に愛をくれる。

温かさをくれる。





それは、とても、素敵なことだと思う。



でも、勝手に日本に来るなんて・・・。

よくクビになんなかったよね、ホント。








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