天然王子様に振り回されて
――――――だけど・・・・・・。
「千秋先輩のばかぁーーーー!!!!」
帰りのホームルームが終わった途端、絶叫した私に、
クラスメイトや先生からの視線が集中する。
けどね!
気にしてられないんだよね!
こっちは!!!
なんてったって、千秋先輩、
あの後一回も会いに来てくれなかったんだからっ!!!
待ってたのに!!!
一回も!!!!
もう放課後だよ、放課後!
「羽依。私、三木の野郎、ぶん殴りに行っていいだろ?」
茜が、怒りを抑えられない、というように言ってくれた。
だけど私はそれに首を振り、キッパリと言った。
「茜はいいよ、帰って。
私が、千秋先輩に文句言ってくる!」
ホントに、ホントに、うきうきして待ってたんだから!
そんな私に、茜はガッツポーズをつくった。
「おう!行ってこい!羽依!」
私は力強く頷き、千秋先輩のクラスに向かった。