天然王子様に振り回されて
千秋先輩は、まだ、私が昨日のこと見てたの、知らないはず。




だから・・・・・


・・・・・・・・・・だから・・・?




あれ?


だからどうするんだろ?




今までと同じ態度とればいいのかな?


でも、どうせお遊びなんだよね?


私の態度なんて、関係なくない?






「羽依?どうしたの?」


千秋先輩が、私の顔を覗きこむ。






ドキッ


あぁ、駄目だ。



何、胸高鳴らせてるの。






私は、ふいっと千秋先輩から顔をそらす。



千秋先輩を見てたら・・・泣き出しそうだったから。







そして、早口に言った。




「千秋先輩、先行ってください。

私、寝坊しちゃって、今から準備するので。」




千秋先輩は、ニッコリと笑った。


「いいよ、待ってる。

羽依といたいから。」



「・・・・・っ・・・」





今までなら、すごく嬉しかったはずの言葉。




けど、今は・・・・・痛い。







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