天然王子様に振り回されて
俺が言い終われば。







ダンッ!!!!!







石原が、体育館の壁を、拳で

力いっぱい殴った。







「許せねぇ・・・・・・。

マジで、嵌められてんじゃねぇかよ。」



嫌な予感がする。


もの凄い、嫌な予感が。




「ねぇ、石原。嵌められてるって・・・どういうこと?」



石原は、俺を真っ直ぐに見た。


意志の強い、鋭い光を宿す瞳。

息をのむくらい、綺麗な黒い瞳。




「永井って奴に、嵌められたんだよ。


羽依は、昨日お前が永井を抱きしめたのを見た。


永井は、羽依を見つけて・・・満足そうに、微笑んだ。

羽依を、哀れむように見たらしい。



そんで、羽依は・・・自分は遊びでしかなかったんだと、

勘違いした。




・・・・・・なぁ、三木、知ってるか?


羽依、永井と数人の先輩の女子に、

その前の日に呼び出されて・・・


どんなことがあっても、お前が好きかどうか試す

って、言われたらしいぜ?」




俺は、目を見開いた。







「なんだよ・・・・・ソレ。」




羽依の、今朝の涙は・・・・・・それが原因?







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