その恋、取扱い注意!番外編(旧題 幼なじみは取扱い要注意)
湊がいるから週末は大丈夫と言っても、アリサさんは譲らなかった。
ということで、私たちはカレーライスとサラダで夕食を食べていた。

食事ももうそろそろ終わりに近づいたところで、私は口を開いた。

「アリサさん、今までお食事を作りに来てくれてありがとう。左手、動かせるようになったからもう気にしないでいいからね」

「えっ? まだ良くなっていないじゃないですか。カトラリー並べる時も痛そうにしていたし。まだ作りに来ます」

やっぱりアリサさんは譲らない。

ボーイフレンドもいる18才の女の子。彼と出かけたりする方が楽しいのでは? どうしてこだわるんだろう……。

言葉に詰まると、今まで黙々と食べていた湊がスプーンをカチャンと音をたてて置いた。

「はっきり言う。迷惑なんだ」

「湊っ!」

はっきり言い過ぎる湊に、アリサさんが傷つかないかと心配で顔を見る。

「湊さん、ひどいです!」

「もう二度とここへは来るなよ」

こんなに冷たい湊を見るのは初めてだった。
< 40 / 62 >

この作品をシェア

pagetop