その恋、取扱い注意！番外編（旧題 幼なじみは取扱い要注意）

『お前には付き合ってられない。もう二度と連絡するなよ』

彼女の行動に彼はあきれ果て、突き放すことを決めたようだ。口を一文字に引き結び、ゆっくり立ち上がるアリサさんを見ている。

私は彼女の本性を知り、悲しみと一緒に苛立ちもこみ上げる。

付き合ってられないっ！

つかつかと近づくと、イーサンのグレーの瞳は私に動く。

『ミミさん、聞いていましたよね？　アリサはこんな女なんです』

『イーサン！』

アリサさんは小さい子がするみたいに地団太を踏んだ。本当に私の目には彼女が小さい子に見えた。

湊が彼女に冷たかったのはなんかあったに違いない。モーションをかけたって言ってたし……。湊に謝らなきゃ！

「アリサさん、もう二度と会いたくない」

私は日本語で言い切り、アリサさんの胸にコートとバッグを押し付けると、踵を返した。