トーフマン
この通り、おれとしずかちゃんの仲はアツアツだった。
牛丼屋のミソ汁くらいアツアツだった。
友人からは、「バカップルめ」「リア充死ね」「いや、本当にマジでおまえらウザい」「つーか、イタい」「たぶんいま読者は絶対ひいてる」などと罵られていたが、全くちっともぜんぜん気にならなかった。
何が嬉しいかって、おれとしずかちゃんは、ほとんど同じオタク趣味を持っているのだ。
好きなマンガは4コマと島本和彦。好きなガンダムはクロスボーン。好きな歌は、水木一郎をはじめとするアニソン、いやむしろ兄尊、というところまで同じなのだ。(ちなみにしずかちゃんの得意料理は「ひよりみランチ」。これは水嶋ヒロ主演の「仮面ライダーカブト」にて、ヒロインの日下部ひよりが作る創作料理だ。これがすごくうまい!)
これはもう、運命の恋人と呼ぶしかない!彼女と二人なら、無人島でも二十四時間熱く語り合える!
他にも、例えば数日前、こんなことがあった。
しずかちゃんが、
「たまにはわたしが運転するよー」
と鈴のような声で言って、おれのワゴン車の運転席に座った。そして、発車しようとしたのだが、彼女の足が短くて、アクセルに届かなかった。
「うーんっ、うーんっ」
とうなりながら、一所懸命に足をのばすしずかちゃんの姿を見て、おれは萌えた!激しく萌えた!