トーフマン
親父は言った。
「おれのせいだ。二十一年前の、おれの不注意で、おまえは」
・・・・・・思い出した。
さっき右腕がひとりでに動いて、怪物の手を引きちぎったのだ。そうだ、あの怪物はどこに行った?
部屋を見回した。
あちこちにへばりついた、毛混じりの肉片。
まさか、あれが?
そして、青い血にまみれた、おれの両手。
「まさか・・・・・・」
ふと、窓ガラスを見た。
そこに映っているものを見て、硬直した。
なんだ、あれは?
化け物が、そこにいた。