トーフマン


餅が、親父から聞いたというその話は、おれを驚かせた。


まさか、あの時食べた赤い豆腐が、おれの肉体の異常の原因だったなんて。


あの時すでに、おれの体は、TF細胞にとりつかれていたのだ。しかし親父が用意してくれた薬のおかげで、その後の二十一年間、普通の人間として生きてゆくことができた。


その薬を、おれは今日飲まなかった。


だから、あのおぞましい変身が起こったのだ。


「TF細胞ってのが、何なのかは、だいたい、なんとなくは分かったよ。でも、だからって、なんで親父が!シダバーに狙われなきゃいけなかったんだ!?」
「落ち着いてください」
興奮するおれをなだめながら、餅は再び語りだした。



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