トーフマン


背筋が冷たくなった。


記憶が、ずぐりとよみがえる。


忘れていない。この声、忘れられるわけがない。


黒い感情がわきあがる。怒りで頭が熱くなってゆく。


おれは、振りかえり、ゆっくりと上を向いた。




スーパーマーケットの屋上に、そいつはいた


白い裸の女体に、蜘蛛の形をした頭を持つ怪物が、こちらを見下ろしていた。


「クモシダバーァァァッ!!」


おれは怒鳴った。




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