生徒会の恋愛事情
こんな時なのに、ドキドキと高鳴ってしまう胸が、今は邪魔で仕方ない。
さっきまでの自分の気持ちは何処へやら、私は弥先輩の瞳な吸い込まれてしまう。
「沙羅ちゃんはまず生徒会室に戻った方がいい。
荷物も置いてきたみたいだし、お昼もまともに食べてないんでしょ?」
「…でも華羅お姉ちゃんが!」
「学校内にいるだろうし、僕が探すよ。
それに、華羅が生徒会室に戻ったって可能性もある。」
「確かに…」
すれ違いになった可能性も勿論大きい。
でも弥先輩が言うように、華羅お姉ちゃんが戻っているかもしれない。
「もし生徒会室に戻ってたなら、悪いけど連絡してほしい。
僕もすぐに駆けつけるから。」
「はい。」
私は大人しく返事をする。
「じゃあ、僕はあっちに。」
弥先輩はやっとこさ私を離す。
「分かりました。
…あの、弥先輩!」
「うん?」
「弥先輩も華羅お姉ちゃんを見付けたら連絡して下さい。」
「分かったよ。」
弥先輩はそれだけ言うと、廊下の彼方へ消えてしまった。