生徒会の恋愛事情
「昨日元気なかったのは、留学の事で悩んでたから?」
聞こえてきた弥先輩の言葉に、あたしは足を止めた。
やっぱり昨日会ってたんだ。
昨日の美羅の写真を思い出す。
恋人同士が仲良くデートしている写真だった。
「うん。
ごめんね?
何ていうか…言いずらくて。」
「僕じゃ頼りない?」
その声に縛られるかのように、あたしはその場に立ち尽くす。
何で弥先輩の声は、こんなにも切なげなの?
「違うよ!
そうじゃなくて、ただでさえ弥は忙しいのに、余計な事言っちゃいけないかなって…」
華羅お姉ちゃんが慌てている。
「余計な事?
彼女が悩んでて、解決策を一緒に考えるのって余計な事?」
あたしの耳朶がピクリと反応した。
今何て?
…彼女?
彼女って言った?