生徒会の恋愛事情


「弥はこの話を知ってるのか?」


「はい。
さっき話したんで。」


「そうか。」


聖也先輩はそう答えると私の顔をじっと見つめた。


「…」


あたしは何も言えなかった。


聖也先輩の持ってるカリスマ性と威圧感のせいだと思う。


何があったのかとあたしが思い始めた頃、聖也先輩は言った。


「荷物は教室に持っていっとくから、沙羅は保健室に行け。」


「保健室?
…あたし元気ですよ。」


「その顔で教室に戻る気か。」


「え?」


あたしはポケットから鏡を取り出す。


そこに映っていたのは、酷い泣き顔だった。


「あたし…」


いつの間に泣いてたんだろう。


弥先輩と話している時ではない。


泣いたのはその後だ。


あの後…


思い出して、また目頭が熱くなる。


「悪いが、生徒会員たるもの授業をサボる事は出来ないから、沙羅の話は聞いてやれない。
すまない。」


「いえ…」



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