生徒会の恋愛事情
教室に戻ると、教室に残っていたクラスメートがあたしを心配してくれた。
あたしはかなりの病人になってるらしい。
聖也先輩、いったい皆に何て言ったんだろう…
ちょっとそんなふうに考えたけど、時間もない事だし、あたしは荷物を持って生徒会室へ向かう。
まだ人気の多い廊下は、丁度良い雑音をあたしの耳に届けてくれた。
廊下ですれ違うクラスメートが声を掛けてくれたりしたから、余計に良かったのかもしれない。
生徒会に行かないといけないから、話し込む事は出来なかったけど、皆の優しさに触れて、あたしはまた少し元気になっていく。
そして、少し時間がかかったが、生徒会室に辿り着いた。
あたしはドアの前で一度立ち止まる。
多分、生徒会室に入ってもあたしは病人扱いされるだろう。
…病気じゃないから、やっぱり罪悪感はあって、少し入りづらい。
でも入らなきゃ。
あたしはドアノブをしっかりと握る。
回そうとした時、中から声がした。
「では、華羅の留学に異議のある人はいませんね?」
弥先輩の声だった。