生徒会の恋愛事情
「華羅姉は凄いよな。」
「本当にそれね。
生徒会しながらあの英語の試験で上位に入るなんて…」
日が傾く中、あたしは光唆と並んで歩く。
「生徒会役員で、頭良くて、美人で、性格良くて、これで彼氏いたら完璧だな。」
「…」
なら完璧だ。
しかもその彼氏がまた完璧すぎる。
「沙羅?」
…華羅お姉ちゃんと弥先輩って超お似合いじゃん。
あたしなんかが入る余地ないっていうか、略奪とか全然考えてないけど…
虚しくなる。
あたしが弥先輩と不釣り合いなのは分かってた。
それは、弥先輩がお金持ちで、あたしが普通以下の家の子だから。
でも、それは華羅お姉ちゃんも一緒だ。
なのに2人はとっても似合ってる。
理由は…分かるよ。
華羅お姉ちゃんが素敵だから。
光唆の言う通り、美人で、優しくて、頭も良くて、何事にも一生懸命で…妹ながら尊敬する。
そんな華羅お姉ちゃんだから、弥先輩も好きになったんだと思う。
あんなに必死になる程に愛してるんだと思う。
あたしは…弥先輩に好きにんってもらうだけのものなんて何も持ってないな。