生徒会の恋愛事情
「おい沙羅!
どうしたんだよ!?」
本日何度目かの涙が、雨のように頬を伝う。
頬から顎へ、そして地面へ、あたしの涙は簡単に止まってくれなかった。
「沙羅?」
光唆があたしの肩を掴み、あたしの顔を覗き込んでくる。
その顔も、涙で滲んではっきり見えない。
「ごめん…いきなり泣いて…帰ろう?」
あたしが足を止めたのに言うのもあれだけど。
あたしが歩き出そうとしたけど、出来なかった。
「光唆…どうしたのよ。」
「それはこっちが聞きてえよ。
保健室で寝てたり、急に泣き出したり…こっちの身にもなれ。」
「だからって…」
人通りが少ないとはいえ、道のど真ん中で抱き締めなくてもいいいじゃん
って、あたし、光唆に抱き締められてる。
あまりの事に、あたしは反応が非常に遅かった。
「光唆、光唆!」
離してもらわなきゃ、誰が通るかも分からないのに。
「ごめんって、もう心配かけないから。
だから離し」
「そういう問題じゃねえよ!」