生徒会の恋愛事情
その人は間違いなく男性だった。
背もそこそこあるし、声も男性だし、着ている制服が光唆と一緒だった。
だけど、凄く可愛い、可愛い系イケメンだ。
あたしなんかよりも絶対に可愛いと思った。
もしかしたら、彼は女の子として生まれた方が幸せだったのではないか、あたしは勝手にそんな事まで考えた。
だが彼は、あたしと目が合うなり阿修羅となる。
「おい!
そこのお前!
今、もしかしたら俺は女として生まれた方が良かったとか思っただろ!!」
「え!?」
図星だった。
なんて暢気な事は言えない。
可愛い系イケメンがいつあたしを殴るか分からない状況だった。
「あの…ごめんな…」
だけど、あたしの言葉は途中で途切れた。
聖也さんが、可愛い系イケメンを殴ったからだ。
「!
兄貴、何するんだよ!」
「お前が悪い。
だいたいお前は、いつまで自分の顔にコンプレックスを持つ気だ。」