生徒会の恋愛事情


その人は間違いなく男性だった。


背もそこそこあるし、声も男性だし、着ている制服が光唆と一緒だった。


だけど、凄く可愛い、可愛い系イケメンだ。


あたしなんかよりも絶対に可愛いと思った。


もしかしたら、彼は女の子として生まれた方が幸せだったのではないか、あたしは勝手にそんな事まで考えた。


だが彼は、あたしと目が合うなり阿修羅となる。


「おい!
そこのお前!
今、もしかしたら俺は女として生まれた方が良かったとか思っただろ!!」


「え!?」


図星だった。


なんて暢気な事は言えない。


可愛い系イケメンがいつあたしを殴るか分からない状況だった。


「あの…ごめんな…」


だけど、あたしの言葉は途中で途切れた。


聖也さんが、可愛い系イケメンを殴ったからだ。


「!
兄貴、何するんだよ!」


「お前が悪い。
だいたいお前は、いつまで自分の顔にコンプレックスを持つ気だ。」



< 12 / 385 >

この作品をシェア

pagetop