生徒会の恋愛事情


「俺は、沙羅にそんな顔してほしくねえんだ。
分かる?」


「分かるって…」


「…俺、沙羅のこと好きだから。」


「…え?」


あたしは思わず顔を上げる。


そしてら光唆が、すっごく真剣な顔であたしを見てたの。


「今、好きって…」


「好きだよ。
昔っから、俺は沙羅しか好きじゃなかったからな!
…沙羅は気付いてなかったみたいだけど。」


「そんな…」


光唆があたしのこと好き?


まさか、そんな事って…


「だから俺は、沙羅に笑っててほしいんだ。
思いつめて泣く顔なんて見せ…」


不意に光唆の言葉が止まる。


「光唆…?」


光唆の腕の力が弱まる。


彼は目を見開いて、まっすぐに前を見ている。


あたしは光唆から離れて振り返る。





そこには…


弥先輩が立っていた。



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