生徒会の恋愛事情
4 夏休みも生徒会です!

見送り



家の外から、蝉と子供の元気な声が聞こえる。


今日から世間は夏休みだ。


あたしの通っている高校も例外ではない。


だからあたしは今は家にいるが、これから出掛ける。


「空港まで行けなくてごめんね。」


「いいよ、そんなの。
それより、お小遣いもらって本当にいいの?」


「いいのいいの。
頑張った華羅にご褒美。」


「ありがとう。」


今日は華羅お姉ちゃんがアメリカに行く日である。


由羅お姉ちゃんは仕事があるからお見送りに行けないんだけど、あたしと美羅は空港まで行く。


あと、生徒会の皆も来てくれる。


って言っても、全員が来れる来れるわけではない。


学校は休みでも、生徒会は休みではない。


だからあたし達は華羅お姉ちゃんを見送った後に学校に行かないといけないんだけど、午前中の生徒会室を空にするわけにはいかない。


学校の先生にサボってるって思われちゃいけないから。


この生徒会は給料が出るから仕方ない。


という事で、光唆と小百合先輩が残る事になった。


本当は一年生が残らないといけなかったんだけど、華羅お姉ちゃんの家族だからお見送りにいける事になり、代わりに小百合先輩が残ってくれた。


…正直、助かったって思ってる。


あの日以来、光唆と顔を合わせにくかった。


だから、光唆と2人で生徒会室にいるのは心配だったの。


こんな理由で仕事が断れるわけではないから、今回のことは運が良かったと思う。



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