生徒会の恋愛事情
正直、光唆のことを一人の男の子として好きになれる自信は今のところない。
物心ついた時から一緒に育ってきた彼は、友人であり、兄弟のような存在だった。
そう、あくまで友達なのだ。
いつから光唆があたしにこと好きだったかは分からない。
でもあたしは、今まで光唆に対してそんな感情を抱いたことはない。
それならすぐにごめんと言えばいいのかもしれないが、光唆のあの真剣な顔を思い出すと、なんだか言えなかった。
このままじゃいけないとは思うんだけど…
「沙羅お姉ちゃん!
そろそろ行くよ!」
そんな事考えていたら、バッチリ準備できている妹に注意された。
「ごめん、ごめん。
って美羅、お見送りにそんなお洒落しなくても…」
「だって、イケメンがいっぱい来るんでしょ?
それなのに制服で行く沙羅お姉ちゃんがおかしいよ。」
「あたしはその後学校に行かないといけないから。
毎日制服で会ってるし。」
「だからこそ、今日は私服で勝負しなきゃ!」
妹ながら、こういうところは凄いなって思う。
美羅が男の子を家に連れてくる日は、そう遠くないかもしれない。
光唆のことで悩んでいるあたしの方が子供に思えた。