生徒会の恋愛事情


3人で玄関を出て、一緒にバスに乗って空港まで行った。


何持っていったらいいか分からなかった華羅お姉ちゃんの荷物は最初こそ大きかったが、香里奈先輩達が色々教えてくれたみたいで、今ではスーツケース一つと手持ちのバック一つに収まった。


そういえば勇也先輩は、荷物なんてパスポートと財布だけでいいなんて言って、香里奈先輩と小百合先輩に怒られてたな。


そんな事を話しながら、あたし達はバスで過ごしていた。


暫く会えないと思うと、いっぱい話しておかなきゃと考えてしまう。


その時間はとても楽しかった。


でも、時折切なくなる。


「それで、弥がね…」


華羅お姉ちゃんが弥先輩の話をする度に、心の奥に封印したはずのものが蠢く。


少しの刺激があたしの心を大きく揺さぶるのだ。


美羅は興味津々に聞いてるけど、その時のあたしは口数が減ってしまう。


不自然かもしれないって思うけど、なにを話したらいいか分からなかった。


「そろそろ着くよ!」


バスの速さは低下していき、空港の前でゆっくりと止まった。


あたし達はバスから降りて、空港の中に入る。


流石は夏休みというべきか、空港には大勢の人がいた。


「先輩達、何処にいるんだろう。」


あたし達が辺りを見回していると、こちらに向かって手を振ってくれている人が見えた。


勇也先輩と香里奈先輩だった。



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