生徒会の恋愛事情
あたし達は勇也先輩と合流した。
もう他の先輩達は来ているようで、皆さんどこかの待合室っぽいところにいるようだ。
「あたしが旅立つのに、1番遅くに来てごめん。」
「ううん。
あたし達が早く来たの。
予約しないといけないから。」
「予約ってなんですか?」
「ああ…それは…」
香里奈先輩が言葉を濁す。
すると、勇也先輩が話に入ってくる。
「沙羅ならもう教えてもいいだろう。」
「あたしはいいんだけど、弥君達の許可取ってないし…」
「良い。
兄貴や弥はもう何も言わないだろうし、何かあるっていうなら俺が責任取るから。
香里奈は華羅とこのチビッ子と一緒に先に行ってろ。」
「分かった。」
それから、香里奈先輩と華羅お姉ちゃんと美羅が先に行く。
美羅は、自分が教えてもらえない事とチビッ子呼ばわりされた事が気に入らないようだが、大人しく着いていった。
「単刀直入に言う。」
「はい。」
「俺は世に言う金持ちだ。」
「…」
唐突だった。
「まあ弥がそうなのは知っているだろうが、香里奈や小百合さんもそうだ。」
なんとなく分かっていた。
ただ、先輩達は何も言いたくなさそうだから聞かなかったけど。